HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
「全く、仕事する気ゼロだな」

私はデスクの下でジッと上目で様子を伺っていた。

彼の長い両脚が邪魔で一人では外に出れなかった。

「社長!!」

「出ていいぞ」

彼は椅子を引いて、私を外に出してくれた。

「どうして私を隠すんですか?」

「父さんが居たら、長居されて、仕事に支障を来す」

「だからって…」

「俺は会議に行くし、逢沢の指示で仕事をしろっ。雪姫」
「あ、はい…」

彼はそう言うとチェアから腰を上げて社長室を出て行った。

残された私は逢沢さんの指示で秘書課のデスクで仕事を始めた。
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