HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
元同居人も御曹司
_________
_____

目が覚めたら、私はラグの上ではなく、広く大きなベットの上で眠っていた。

まるで『ダイヤモンドホテル銀座』のスイートルームのベットのように寝心地は最高だった。

私はベットから飛び起きた。

そして、慌ててリビングへと向かう。

「えっ?」

高い天井。
攣り下がった煌びやかな照明。

全面硝子の向こうには美しい夜景が広がっていた。

「凄い…達生さん…毎日こんな夜景を見ているのね…」

「目が覚めたようだな。どうぞ」

心地の良いバリトンの声が聞こえて来た。

「えっ?」

声の方に振り返ると硝子テーブルに磁器もカップがそっと置かれた。
香ばしいコーヒーの匂いが漂う。
「コーヒーに砂糖とミルクはつけるか?雪姫さん」

「貴方は・・・!?伊集院さん!?」

「達生から私の事、訊いているようだな…自己紹介は要らないな」

ソファに広がっていた荷物が綺麗に片づけられ、キャリーバックは部屋の隅に置かれていた。

「・・・帰宅するとラグの上で君が寝ていたから。驚いたよ」

「私をベットに運んだのは伊集院さんですか?」

「私以外に誰が居る…それよりもミルクと砂糖、どうする?」

「え、あ…そのままで大丈夫です」


< 70 / 155 >

この作品をシェア

pagetop