この恋の結末は
メインのお皿が空になるころ、私はもう、さっきまで感じていた違和感を忘れていた。
私たちは、ずっと、よく笑って話していた。
仕事の話、最近のテレビの話、同僚の話、どれも特別じゃない、いつもの会話。それなのに、1つ1つがちゃんと記憶に残っているのはこの空気のせいなのかな。
「デザート、何にしたんだっけ?」
「ショートケーキみたいなのやつ!」
「そうだった。楽しみだね。」
やがて、静かにお皿が置かれる。白いお皿の真ん中に綺麗に盛り付けられた真っ白いケーキ。甘い香りが食後の余韻に溶けていく。
「おいしそうだね。」
「うん、今日はどのお料理も最高!」
早速、いただこうとフォークをとろうとして、ふと、優君の視線に気づく。
こちらを見ているというよりも、何かを決めた顔だった。真剣な眼差しで私を見つめていた。
「、愛菜」
名前を呼ばれて、手が止まる。
優君は息を整える。空気が止まる。
「今まで、本当にありがとう。6年、楽しいこともたくさんあった、正直不安にさせたことも多かったと思う。それでも、そばにいてくれてありがとう。」
「なに、?今さらじゃない?」
続く言葉が怖くて、少し、おどけて見せた。ダメだ。私はもう、優君なしでは生きていけないんだと今更ながらに気づく。