実らない恋だとしても… あなたへの想いが溢れそうです



「ずーっと?そんな前から真穂はいないのか?」

「うん、そうよ。」
「前の月の終わりからかなあ…。」

「申し訳ございません。私も詳しい事は伺っていなくて…。
 何かお急ぎのご用でしょうか?」

「いえ、特には…。」

「洸兄さん、あそぼ!」
「充…。悪い、今日は帰るわ。またこの次に遊ぼうな。」
「えーっ。つまんない~。」

「みーくん、お父様がお帰りになるまでおばさんと遊びましょ。」
「うん!」

「バイバイ、洸兄さん。」

子供達の興味は、あっけなく妹尾の誘う遊びの方へ向かった様だ。

駐車場へ向かいながら、真穂がいないと玄関に花が無い事に気がついた。

『さっきの味気なさは、生花の彩が無いからか…。』

真穂が何処で仕事しているのかわからないまま、重い足取りで洸は自宅へ帰った。



< 115 / 202 >

この作品をシェア

pagetop