実らない恋だとしても… あなたへの想いが溢れそうです
「マーちゃん、おはよう!」
「おはよう、美穂ちゃん。」
6時半ピッタリに、妹の田所美穂が二階から降りてくる。
朝に強い妹は起こす手間が省けて助かる。
小学生になったこの春からは、着替えも洗面もトイレもバッチリだ。
おまけに、ランドセルの準備も完璧!
ゴールデンウイーク明けの一年生は、学校へ行きたがらない事もあるそうだが
ひとつ上の兄、田所充に爪の垢を飲ませたくなるほど、
美穂は今日も朝から元気いっぱいだ。
「みーくんは、まだ寝てる?」
「うん!蹴っ飛ばしたけど起きなかった。」
兄妹は同じ部屋の二段ベッドで寝起きしている。
ベッドから落ちる危険性のある充は下に寝ているが、まさか兄を蹴るとは…。
「ああ…。美穂、女の子が蹴っ飛ばすのはどうかと思うよ。」
「そう?マーちゃんは男子を蹴らないの?」
「蹴りません!」
歳の離れた妹との会話は疲れる。可愛いけど、疲れる…。