実らない恋だとしても… あなたへの想いが溢れそうです



家族の為に何でもしてきたが、『ありがとう』の一言すらもらった事は無い。

『ありがとう』と言われたくて、頑張っている訳では無いが
何の為にここまでしなければいけないのか…。時折、自分でも分からなくなるのだ。


その気持ちを、いつも代弁してくれるのが洸だった。

『何で、家族の為にそこまでするんだ。』

あの人は、私が言えない言葉を次々に口にする。
わたしがその答えを聞きたいくらいだ。


「もう私、許容量いっぱいだ…。あれこれ考える事が辛い…。」


幼い弟妹は、掛け値なしに可愛い。

でも、父も母も夏子も余りに自分勝手ではないだろうか。

私も一人の人間だ。自分の人生を歩きたいと本音では願っている。
明石洸だけが、口に出せない私の気持ちを代弁してくれるのだ。


一人の人間として、堂々と明石洸の側にいたいと秘かに夢見ていた。

叶わぬ夢だとは知っているが、夢ならば見続けていられただろう。

でも、それも今日で終わり。

生々しい『遊び』の関係は…夢に相応しくなさそうだ。



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