君とベビードール



またも言葉を発しないあたしに、



「…まったく、君は…。」


「…おうっ!!」



お決まりの手のひらつっぱりをあたしのおでこに、決めて。



「僕がどれだけ心配したと思ってるの?」



ぎゅっと強くあたしを抱きしめてくれた。



「…ごめん…な…さい…。」



「許さないよ…。」



「……。」



あたしを腕から離した准さんは、不安なんてなくなるくらいあたしを求めてくれた。



明るい部屋の中、飽きることなく愛し合う、あたしたち。
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