夢のつづきを君と歌う


誰からの電話だろう……。

──とか、好きになると気になっちゃうものだなぁ。


つい奏音の姿を追いかけていると、前の席に座っていた美咲が微笑んで聞いてきた。



「奏音がいなくなって寂しいの?」


「美咲は良くいじるねー」


「ごめんね。今まで散々いじられてきたから、逆の立ち場になれたのが嬉しくて」



謝りつつ笑顔のまま、言い訳をする。

その話しで、中学生の時は相当大変だったんだろうなと思った。



「なるほど」



仕方ないのかもしれないな。

珠々は好きな人とか全然いないっぽいし。



「大変だったんだね」


「そうなの。大変だったの」


「二人ともデザートどうする?」



馨くん、話しの入り方が突然だなぁ。

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