夢のつづきを君と歌う


楽しそうにしちゃって。


でも奏音の歌声は、こっちまでワクワクさせてくれる。

普段より若干低めのハスキーボイスも耳に心地よくて良いと思った。



「頼りない僕だけど、それでも近づきたいんだ──」



──そう言えば、私。



「恋はしたことなかったなぁ……」



ついポロリと口にしてハッとして我に返った。

どうやら歓声の叫びに混ざって美咲と珠々には聞こえなかったらしく、私は小さく溜め息をつく。


あぶない、あぶない。

茶化されるところだった。

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