私のおさげをほどかないで!
「――さっきからさ、百面相の練習でもしてんの?」
不意に声をかけられて、私はハッとして声のした方を見る。
コンビニの駐車場。
店舗より少し離れた区画――私のすぐ横に、白のSUV――スポーツタイプの車が停まっていた。
外車なのかな。ハンドルが左側にあって、ちょうど車の左横を通っていた私は、中の人物から運転席窓越しに声をかけられたらしい。
車といえば右ハンドルという既成概念が強くて、予期せぬ方から声をかけられた私はビクッとしてしまった。
そもそも車内に人がいること自体想定していなかったし、投げ掛けられた言葉の内容も恥ずかしくて、ブワッと顔が熱くなる。
なんで今このタイミングでこいつ!
一瞬車内の鳥飼さんと目が合ったけれど、私は慌てて視線をそらすと、聞こえなかったフリをした。
目が合った気がしたのも気のせいよ。
何より今は私、仕事中ではないし、お客さんでもない彼の相手をする義理はないんだもの。
私なんて構ってないで、「あいつ」のところに行けばいいのよ。
そう思って早足で車の横をすり抜けると、そのまま歩道に出る。
「ちょっ、向井ちゃん、待てって!」
背後から慌てたような声がするけれど、無視無視。聞こえないっ!
でも、後ろで車のドアの開閉音がして、追いかけてくる!って思った私は、鳥飼さんから逃げたい一心で思わず先ほど呼び出したままになっていたのぶちゃんにコールしてしまっていた。
不意に声をかけられて、私はハッとして声のした方を見る。
コンビニの駐車場。
店舗より少し離れた区画――私のすぐ横に、白のSUV――スポーツタイプの車が停まっていた。
外車なのかな。ハンドルが左側にあって、ちょうど車の左横を通っていた私は、中の人物から運転席窓越しに声をかけられたらしい。
車といえば右ハンドルという既成概念が強くて、予期せぬ方から声をかけられた私はビクッとしてしまった。
そもそも車内に人がいること自体想定していなかったし、投げ掛けられた言葉の内容も恥ずかしくて、ブワッと顔が熱くなる。
なんで今このタイミングでこいつ!
一瞬車内の鳥飼さんと目が合ったけれど、私は慌てて視線をそらすと、聞こえなかったフリをした。
目が合った気がしたのも気のせいよ。
何より今は私、仕事中ではないし、お客さんでもない彼の相手をする義理はないんだもの。
私なんて構ってないで、「あいつ」のところに行けばいいのよ。
そう思って早足で車の横をすり抜けると、そのまま歩道に出る。
「ちょっ、向井ちゃん、待てって!」
背後から慌てたような声がするけれど、無視無視。聞こえないっ!
でも、後ろで車のドアの開閉音がして、追いかけてくる!って思った私は、鳥飼さんから逃げたい一心で思わず先ほど呼び出したままになっていたのぶちゃんにコールしてしまっていた。