ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています

　まさかとは思うが、三年前にもみちるに接触していたりするのか？

　あの頃の俺はまったくみちるを大切にできていなかったのだと痛感する。

　みちるのなにを見ていたのだろう。我慢強い彼女は、俺の知らないところで心を痛めたりしていたのだろうか。

　上手く気持ちを切り替えられず仕事がはかどらない。参っていたところで、みちるからメッセージが届いた。

【どっちがいいかな？】

　添付された写真には蒼斗の服が二着。自分ではなく蒼斗の服装で悩むところが子供想いの母親で、そんな彼女がこのうえなく好きだと思う。荒れていた心が自然と凪いだ。

【右の青い服。俺も合わせてネイビースーツにする】

　なにを張り切っているのだと笑われそうな返事をしたら、【お揃い、いいね】と返ってきた。

　手探りで家族の真似事をしていた頃とは違い、今はハッキリとした手応えを感じている。

　不安感に駆られてついキスをしてしまったとき、驚きはしたものの、みちるは怒ったり嫌がったりしなかった。

　蒼斗との距離も縮まったし、このまま本当の家族になりたいと毎日考えている。そして、みちるもそれを望んでいると信じている。