ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「恥ずかしい?」

「それもあるけど、それより蒼さんに触れたくなっちゃうから」

 本音をこぼすと、蒼さんはピシッという効果音が鳴ったかのように動きを止めた。

 さすがに明け透けな言動だったかも。

「ごめん、変なこと言って」

 慌ててフォローに回ったが、蒼さんは目の色を変えて私をジッと見つめてきた。

「結婚指輪はまた今度にしようか」

「え? なんで?」

「急いで帰ったら、ギリギリみちるを抱く時間がある」

「ないよ!」

 とんでもない発言をされて小声ながらも鋭い声音で反論する。

「そうか」

 心底残念そうにする蒼さんを見つめて、いろいろな面を見せてくれるなあと温かな気持ちになりながらクスクスと声を漏らした。
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