ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「君と俺の立場は気にしなくていい。断られても、あたり前だがお母さんの治療に全力であたる」

 ドッドッと太鼓を叩くような激しい心音が全身に響き渡り、自分の声もそれにかき消されそうなほどだった。

「私と大槻先生が恋人になる、という意味ですか?」

 到底信じられなくて今一度確認を取ると、大槻先生は大きくうなずいた。

「そうだよ」

 大槻先生が私を好きだというの?

「好いてもらえる要素が見当たらないです……」

 放心しながらつぶやくと、大槻先生は困ったように眉根を下げた。

「知り合って間もないし、そう感じるのはあたり前だよな」

 蚊の鳴くような声で「はい」と伝えると、憂いを帯びていた彼の顔がすっと引き締まる。

「俺がみちるちゃんを意識するようになったのは、金森さんが入院してわりとすぐだよ。あのベンチにいるところ見かけてから、君の姿を目で追い、気にかけるようになっていた」

 そうは言っても、私たちが顔を合わせる時間なんてほんの一瞬だ。

 私も大槻先生を素敵な人だと思っていたので、目で追うというのは共感しないわけではないけれど。
< 47 / 193 >

この作品をシェア

pagetop