ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「用事があるんでしょ?」

「別に今じゃなくていい。自主的に院内の様子を見にきただけだから、みちるを送っていったあとに戻ってくる」

「でも自転車を病院に置いていくわけにはいかないし、チャイルドシートだってないから無理だよ」

 ここで彼女とサヨナラするわけにはいかないし、なにより放っておけない。

「自転車は車のうしろに載るから問題ない。チャイルドシートは設置していないが、病気で熱のある子供を搬送のため乗車させるのなら法に触れない。そもそもこの雨のなか、高熱の子供を自転車に乗せて帰らせるくらいなら、俺は罰せられてもいい。タクシーを拾っても、子供を抱っこして乗るのだから安全面は同じだろう。絶対に事故を起こさないようにすると誓う」

 案の定みちるは窓に視線を移し、先ほどより雨風が強くなっている外の状況を確認して息をつい
た。

「蒼さんが安全運転しても、車が突っ込んでくるかもしれないよ」

「それは、徒歩でも自転車でもタクシーでもバスでも、可能性は変わらない」

 みちるの言い分はわかる。子供の安全を最優先に考えたいのは俺だって同じだ。
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