【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

 誰も久遠さんの選択を責められはしない……と思う。

 彼は海冬さんをちゃんと愛していたし、一緒にいたいと思っていたに違いない。
 しかしそれと同時に大切な会社も守りたかったのだ。

 もしも海冬さんが日本に会いに行っていたら、妊娠がもう少し早く判明していたら、久遠さんがすぐに迎えに行けば……いや、そもそもお父様が亡くなっていなければ、こんな悲しい出来事は起こらなかったのかもしれない。

 臣海さんの場合はたまたま父親が復帰できた。けれどもしも久遠さんの時と同じように急に父親が亡くなったとしたら、彼はそれでも環妃さんに婚約解消を言い出せただろうか。私を選んでくれていただろうか。


 人生にはいくつもの選択肢があって、その都度迷いながら進んでいく。
 そのとき選んだ道が正しいかどうかなんて、人生を終えるその瞬間まで分かりはしないのだ。

 だから後で後悔の無いよう、必死に考えて選んでいくしかなくて……。

< 227 / 349 >

この作品をシェア

pagetop