【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

「臣海さんって二重人格じゃないよね?」
「何言ってるんだ。ほら、感想は?」

「チーズが濃厚でとってもクリーミー!」
「カプレーゼで余ったモッツァレラを使ったからな。同じチーズ料理になってしまったが、味わいは違うだろ? どうだ、俺の勝ちか?」

 目をキラキラさせて期待に満ちた顔で聞かれ、私は素直にうなずくしかない。
 だって本当に美味しいし。

「完敗! 臣海さんったら私の想像以上に料理が上手なんだもん。これじゃ恥ずかしくて私の手料理なんて出せないじゃない」
「いや、俺は菜月が作った料理を食べてみたい。今度俺に弁当を作ってくれ」

 お弁当と聞くと嫌でも優也さんのことを思い出す。
 もう彼に未練は無いしとっくに振り切れているけれど、彼に投げつけられた言葉は今も胸の奥でチクチクとダメージを与え続けている。


「私のお弁当は茶色いよ? 煮物とか……お袋の味っていうか」

 ――元カレにオカンと言わしめたお弁当ですよ? 本当にそんなのでいいんですか?

「でっ、でも、一応は(いろど)りも考えて卵焼きとかプチトマトとかも入れるんだけどね」

 遠回しに予防線を貼りつつも、自分で必死に擁護していることに苦笑する。

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