冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

「生徒たちの間で、このような画像が出回っているらしくて……ここ、観月先生のご自宅ですよね?」

 受け取ったスマホの画面を凝視する。暗くて荒い画像だが、私が自宅の玄関を開けて崎本くんに応対する様子だとはわかった。

 これ、先週彼がうちに来た時の……。

「ここは確かに私の家です。彼が訪ねてきたのも事実です。でも、家の中までは入っていませんし、断じて不純異性交遊なんかではありません。彼は真剣な悩みを相談しに……!」
「その、悩みというのは?」

 学園長に訴えている途中で教頭が口を挟み、私は口ごもった。

 濡れ衣を晴らそうにも、崎本くんの気持ちをこんな取り調べのような場で踏みにじることはできない。彼に告白されただなんて正直に告げたら、さらに誤解を招く可能性もある。

「言えません。カウンセラーには守秘義務がありますので」

 そう答えると、教頭が盛大なため息をつく。

< 80 / 223 >

この作品をシェア

pagetop