4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪秀side≫


結衣ちゃん大丈夫だろうか…。

そんな事を考えながら仕事をしていた。

早く終わらせないといけないのに、仕事に手がつかなくてなかなか進まない。

瑛斗は仕事で帰れないかもって言ってたし、兄貴も今日は夜勤もあるからって言ってた。

大雅もいない今俺しかいないのに…。



そんなこんなで仕事をして18時過ぎ。

ようやく家に帰れた。




秀「ただいま……って!結衣ちゃん!?」

なんで玄関で倒れてるの!?

早退したの12時過ぎだから…
6時間もここに!?


苦しそうに浅めに呼吸をしている結衣ちゃんは顔も真っ赤で額にはものすごい汗をかいている。

秀「結衣ちゃん!!」

結「ん……」

声をかけても意識はあるものの起き上がる元気はない様子。

どうしよう…。

兄貴の病院連れて行くべきか。
それともベッドに運んで様子をみるべきか…。

俺が慌てていると玄関が開き瑛斗が帰ってきた。



瑛「何してんの?こんなところで……。って結衣!!すげー熱じゃんかよ!秀兄何してんだよ…。早く病院連れてくぞ!」

瑛斗は結衣ちゃんの額には手を当ててそう言った。

秀「わ、わかった。」

俺は瑛斗に言われてハッとし車を走らせた。

普段、車は乗らない俺。

運転すんのなんて久しぶりすぎて緊張する。


俺が運転していると兄貴に電話をかけ準備を促す瑛斗。

さすがだ。
気が動転して何もできなかった俺とは大違い。


着いた瞬間結衣ちゃんをお姫様抱っこで車から下ろし、病院内へ連れて行く瑛斗。

太「おぉ~秀も瑛斗もお疲れ様。うん。結衣ちゃん結構辛そうだね…そのまま診察室運んじゃおうか。」

結衣ちゃんを診察室に運ぶとすぐに太陽くんは診察をし始めた。

琉「悪い太陽。遅れた。」

太「大丈夫。じゃああと頼むわ。」

琉「了解。」


すると兄貴に結衣ちゃんを任せた太陽くんは俺の方にポンと手を乗せた。


太「じゃあ秀診察室の前で少し話そうよ。」

秀「うん。」


俺は太陽くんにそう言われて診察室の前で少し話すことになった。

太「はい!コーヒー飲むか?ほら!瑛斗も!」

瑛「サンキュー。」

秀「ありがとう。」

太「大変だったな。あれ?今日大雅は?」

秀「受験で…」

太「そーゆーことね。受かったらそっちに一人暮らしするんだろ?それもまた大変そうだな。」

秀「だよな。かと言って誰かがはやく帰るわけにもいかないし。」


俺が言いかけると診察室から兄貴が声をかけてきた。


琉「太陽!少し手伝ってくれ!」

太「呼んでる。ちょっと待っててな。」


すると太陽くんが入った診察室では結衣ちゃんが暴れているのが見えた。

あんなに暴れる体力ないだろうに。


大雅がいないだけでここまで困るとは…。

大雅は本当にすごいやつだったんだなと改めて感じさせられる。


それから少し話した俺たちは帰宅することになった。





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