4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪結衣side≫
大雅兄に嘘をつき、病院から抜け出した私。
どうせ帰る予定だったから別に1人で帰るくらい大した事じゃない。
でも…どうしても花火大会行きたかったな。
見てみたかった。
ずっと憧れてたんだもん。
なんで…なんで行っちゃいけないの?
もー分かんないよ。
そんな事を考えながらまっすぐ家路に着いた。
すると後ろから走ってきた車が私の横で止まった。
琉生お兄ちゃんの運転している車だ。
すると運転していた琉生お兄ちゃんは私がいる側の助手席側の窓を開け声をかけてきた。
琉「何してる。」
そう聞く琉生お兄ちゃんはめちゃくちゃ怒っている顔だ。
結「い、いや…。」
私は言葉を濁した。
走って逃げ出すかこのまま捕まるか…。
逃げ出しても相手が車なら絶対に捕まるのがオチだ。
そんな事を考えていると琉生お兄ちゃんは口を開いた。
琉「車に乗れ。そのまま家まで送る。」
このまま乗ったら怒られるだけだ。
どうにかしてそれを避けたい。
結「でも…」
琉「いいから早くしろ。」
そう目を細めて言ってくる琉生お兄ちゃんの言葉に息を呑んだ私は渋々乗ることにした。
完全に怒っている。
当たり前だ。
今回は私が悪いもん。
でも…。
私の気持ちは腑に落ちないまま車に乗り込んだ。
運転している琉生お兄ちゃん。
後部座席に座る私。
沈黙の時間。
少し気まずい空気の中、琉生お兄ちゃんが喋り出した。
琉「どうして俺たちが花火大会を反対するか分かるか?」
結「私が今日…水分補給をしなかったから…。」
そうだよ。
反対するのもしょうがないよ。
分かってるよそんなの。
結「でも本当に次からはちゃんと…」
琉「違う。」
結「え?」
琉「花火大会は煙が多いからだ。」
結「煙?」
琉「花火は火薬を打ち上げ上空で爆発してるってイメージすると分かりやすいだろうが当然煙がたくさん出る。そしたらお前の喘息の発作が出てもおかしくないだろう。」
……喘息だから。
じゃあ私がもし喘息を持っていなかったら見に行けた、ってことだよね。
病気なんて何ひとついい事ないじゃない。
私は思わず言葉を失った。
琉「ただ…」
琉生お兄ちゃんがそう言いかけた時車が家の前に到着した。
結「送ってくれてありがとう。琉生お兄ちゃん。」
私はそう言って車を降りた。
琉「結衣!」
そう声をかけて来た琉生お兄ちゃんだったけど私は振り返りもしなかった。
これ以上話を聞いていたらまた泣きそうだったから…。
好きで喘息になったわけじゃない。
嫌なのに…こんな体嫌なのに。
好きなところにもまともにいけない。
スポーツだってなかなか出来ない。
そんな自分なんてどんどん嫌になっていく。
こんな私…大嫌い。
しばらく1人になりたい。
私は家に入るとすぐに自分の部屋に閉じこもった。
大雅兄に嘘をつき、病院から抜け出した私。
どうせ帰る予定だったから別に1人で帰るくらい大した事じゃない。
でも…どうしても花火大会行きたかったな。
見てみたかった。
ずっと憧れてたんだもん。
なんで…なんで行っちゃいけないの?
もー分かんないよ。
そんな事を考えながらまっすぐ家路に着いた。
すると後ろから走ってきた車が私の横で止まった。
琉生お兄ちゃんの運転している車だ。
すると運転していた琉生お兄ちゃんは私がいる側の助手席側の窓を開け声をかけてきた。
琉「何してる。」
そう聞く琉生お兄ちゃんはめちゃくちゃ怒っている顔だ。
結「い、いや…。」
私は言葉を濁した。
走って逃げ出すかこのまま捕まるか…。
逃げ出しても相手が車なら絶対に捕まるのがオチだ。
そんな事を考えていると琉生お兄ちゃんは口を開いた。
琉「車に乗れ。そのまま家まで送る。」
このまま乗ったら怒られるだけだ。
どうにかしてそれを避けたい。
結「でも…」
琉「いいから早くしろ。」
そう目を細めて言ってくる琉生お兄ちゃんの言葉に息を呑んだ私は渋々乗ることにした。
完全に怒っている。
当たり前だ。
今回は私が悪いもん。
でも…。
私の気持ちは腑に落ちないまま車に乗り込んだ。
運転している琉生お兄ちゃん。
後部座席に座る私。
沈黙の時間。
少し気まずい空気の中、琉生お兄ちゃんが喋り出した。
琉「どうして俺たちが花火大会を反対するか分かるか?」
結「私が今日…水分補給をしなかったから…。」
そうだよ。
反対するのもしょうがないよ。
分かってるよそんなの。
結「でも本当に次からはちゃんと…」
琉「違う。」
結「え?」
琉「花火大会は煙が多いからだ。」
結「煙?」
琉「花火は火薬を打ち上げ上空で爆発してるってイメージすると分かりやすいだろうが当然煙がたくさん出る。そしたらお前の喘息の発作が出てもおかしくないだろう。」
……喘息だから。
じゃあ私がもし喘息を持っていなかったら見に行けた、ってことだよね。
病気なんて何ひとついい事ないじゃない。
私は思わず言葉を失った。
琉「ただ…」
琉生お兄ちゃんがそう言いかけた時車が家の前に到着した。
結「送ってくれてありがとう。琉生お兄ちゃん。」
私はそう言って車を降りた。
琉「結衣!」
そう声をかけて来た琉生お兄ちゃんだったけど私は振り返りもしなかった。
これ以上話を聞いていたらまた泣きそうだったから…。
好きで喘息になったわけじゃない。
嫌なのに…こんな体嫌なのに。
好きなところにもまともにいけない。
スポーツだってなかなか出来ない。
そんな自分なんてどんどん嫌になっていく。
こんな私…大嫌い。
しばらく1人になりたい。
私は家に入るとすぐに自分の部屋に閉じこもった。