4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪瑛斗side≫


その日はそれから俺だけの撮影も終えて、2人でクレープを食べに行くことになった。


雑誌には結衣と2人で撮った写真も使われることになった。


俺が結衣を連れて行った目的は、結衣を連れて行けば誰かしら結衣に興味を示すと思ったから。


まさか今回の雑誌で取り上げられるとは思っても見なかったけど。


結衣の周りには人が少なすぎる。
それを望んでるのかもしれないが。

少しでも注目されるようになれば、敵こそ増える可能性はあるがその分味方や気にかけてくれる人が増える。

そう思って連れてきた。



結「あ、あの、今日はありがとうございました。」

瑛「だから、敬語。」


結「あ……」

何度言っても治らねぇ、こいつの敬語。


大雅にはタメ口なくせに。


なんか気にくわねぇ。
大雅だけに慣れてる感じがすげー腹立つ。





それに俺といると少しびくついているようにも見える。


結「瑛斗兄はどのクレープがお好きですか?」

また敬語……

瑛「そーゆーお前は?」


結「迷っておりまして……」

そう言って結衣はいちごチョコとキャラメルバナナの2つを見比べていた。


瑛「じゃあ、このいちごチョコクレープとキャラメルバナナクレープひとつずつ下さい。」

店「かしこまりました!!」


結「えっ?」

瑛「お前が食いたいの2つ頼んで分ければどっちも食えんだろ。」

俺がそう言うと、結衣は笑い出した。


瑛「何がおかしい。」

結「とてもお優しいなぁって思って。瑛斗さんの優しさって相手をものすごく考えてくれて、とても気遣いのある優しさだな…って。それは誰にでも出来ることではない…です。」



こいつはよくこんな恥ずかしげもなく言葉並べられるな。


瑛「ったく。本当お前は変なやつだ。お前といるとなんか調子狂う。」


それからクレープを分けて食べると俺らは家路に着いた。










結「た、ただいま…」


大「あーーーっ!!結衣どこ行ってたんだよ!!」


結衣が帰るとすぐさま結衣を出迎える大雅。
どちらかと言うと大雅の方が犬っぽい。


結「瑛斗さんに職場見学をさせていただいて……」

大「ずっと2人だったの?」

結「いや、そーゆー事ではなく…」



大「メガネはしていかなかったの?」

結「昨日の一件で壊れちゃって……」



大「そっか!じゃあもう学校でもつけなくていいな!」


結「え!!それはちょっと……」

大「大丈夫!!学校では俺がついてるから!!」


瑛「お前が付いていながら襲われそうになったんだろ。こいつは。」


結「………」

大「ギリギリセーフだもん。」



……だもん。ってなんだよ。結衣の前だからって可愛子ぶってんじゃねーよ。



結「も、もう大丈夫だから……私少し部屋に行くね!!」


そう言って結衣は少し暗い顔をして部屋に行ってしまった。


今サラッと思い出したくない事思い出させるちまったな。


やっと今日笑顔が見れたと思ったのに。



なにやってんだ、俺は。




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