4人のお兄ちゃんは王子様！？

≪秀side≫



秀「ただいま～。あれ？結衣ちゃんもう寝たの？」

大「……」


俺が帰宅するといつもある結衣ちゃんの姿はなく、大雅が1人でリビングにいた。


不機嫌な様子だ。


ここは何も触れないでおこう。


琉「おぉ、秀帰ってたのか。」

秀「あ、家にいたんだ。」

琉「ちょっとな……。おい大雅。結衣とこのままで良いのか？」

ん？なになに？
喧嘩でもしたのか？

結衣ちゃん大好きマンの大雅が？


琉「結衣、太陽の家にいるってさ。」

大「……。」

琉「大雅……。」


大「分かってる…でもなんか嫌なんだよ。あいつ見てるとイライラすんだよ。」

大雅は強気なようで弱々しくそう言った。

大「俺らがどんなに頑張ったって…あいつは俺らを頼ろうとしない。体調の事は俺は言ってくんねぇと分かんねぇんだよ…。そんで悪化して他の男に診られたりして……そーゆー姿見てると本当に腹立つ。」


それを嫉妬って言うんじゃ……


秀「その男の家にいるって言ってんのにそれはイライラしねぇの？」


大「あーーーーーー！もうほっとけ！！」

俺が少し挑発すると大雅は怒鳴り散らして部屋へ行く。


琉「まだまだガキだな。」

秀「初々しいねぇ。」


琉「とりあえず明日の朝俺迎えに行くわ。」

秀「なら俺も行くよ。明日休みだし。」


琉「おう。頼んだ。じゃ、俺もう寝るわ。」




次の日


俺らは太陽くんの家に結衣ちゃんを迎えに来た。

結衣ちゃんはもう少し落ち込んで居るかとも思ったけど比較的元気だった。

そして帰りの車で

結「ごめんなさい。」

と呟いた。


秀「大雅が言いすぎたんだろ。結衣ちゃんが謝る事じゃないよ。」

結「でも太陽さんにも迷惑かけちゃった……」

琉「お前はもう少し迷惑をかけることを覚えた方がいい。もっと周りにわがままになっていい。」


結「はい…あと。私検査頑張ろうかなって。」

琉「え！？」

結「ダメ…かな？そうしたら大雅兄許してくれる…かな。それとも嫌いになっちゃったかな、私のこと。」


……相思相愛か。

羨ましい限りだ。

本当に俺からみたら初々しすぎて若さを感じる。


そしてその日は家に帰って結衣の検査をする事になった。


親父のおかげでとりあえずの検査道具は揃っている。


大雅も喘息で前はうちに専属の医者がいたくらいだからな。


自分で頑張ると言っている結衣ちゃんだが顔はものすごく不安そうだった。