4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪結衣side≫





色んな人に囲まれて困っていると西条さんが助けてくれたのだった。

西「もーあんた何やってんのよ。」

結「あはは。ごめん。」

西「あ、ミスコン機械トラブルで14時からに変更になったそうよ。

結「そうだったんだ!教えてくれてありがとね!」


珍しく優しい西条さん。
でもおかげで助かった。

14時からだったらまだ時間ありそうだから…このままお手伝いしてようかな。


大「結衣。大丈夫だったか?」

結「うん!西条さんが助けてくれたから!」

大「そっか…にしてもその格好は…」

結「私もちょっとびっくり。……私変だよね?」

他のキャラクターに比べて圧倒的に露出が多い部屋着みたいになっているチシャ猫。

少し恥ずかしい…。

大「ま、良いけど…あんま肩とか見せんなよ。風邪ひくし……」


「すいませーん!」

結「あ、ごめん。私行くね!」

私が行こうとすると大雅兄は私に自分が着ていたパーカーを羽織らせて行ってしまった。

大雅兄がワイシャツの上からいつも着ているそのパーカーはダボっとしていて大雅兄のいい匂いがした。

しかも今さっきまで大雅兄が着てたから温かい…。







それからしばらくクラスの手伝いをしていると同じクラスの近藤くんが声をかけてきた。

近「あれ、矢神ミスコンは?」

結「出るよ?」

近「13時からだろ?」

結「え…?でも…14時に変更になったって…」

近「変更なんてして無いと思うけど……」

結「え!?でもさっき西条さんが……」

時計を見たらもう13時20分になっていた。

近「あいつも出るからか…ここ俺が代わるからお前はもう行けよ。」

結「ありがとう!!」

私が走って体育館へ行くと近藤くんは大きい声で「頑張れよ!」と言ってくれた。








結「遅れました!!」

私が走って到着すると体育館にいた全員がこっちをバッと見た。


今までにこんなに大勢の人に見られた事がないので思わず固まってしまう。

すると司会者が気を利かせて


司「本日の最優秀候補がシンデレラのように登場しました!!」

と言ってくれた。

するとその場にいた大雅兄が

「シンデレラじゃなくてチシャ猫だろー!」

と言ってその場を笑わせてくれる。


その瞬間少し私の緊張がほぐれた。



その瞬間

西「遅れてきたんだからなんか披露してくれないとこっちの気が済まないわ!アクロバットでもしたら?」

と嫌な感じに笑いながら言った西条さん。

元はと言えば西条さんが嘘ついたから遅れたんだけど……





でも…アクロバットか……あまりしたことないけど……。






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