記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
自分なのに・・・まるで自分じゃないような・・・そんな気がして仕方なかった。

「愛してる。」
世界で一番愛する人だと確信している。
この人の胸の中が一番安心できる場所だと知っている。


「2回もプロポーズされちゃった。」
そう言って笑う私の瞳から新しい涙が溢れる。


紫苑は私の薬指に指輪をはめてから、流れた涙を拭いキスをしてくれた。

記憶を失う前の私も、記憶を失っている今の私も、紫苑に恋をしている。

「私も、愛してる。」
熱いキスのあと、私は照れながら彼に言うと、彼は切ない顔をしながらもう一度キスをしてくれた。
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