記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「忘れたくなかった。あなたを知って、あなたを好きになって。忘れてしまったことも、思いだしたくてたまらなかった。」
「うん」
「毎日温かくて幸せすぎて、だからこそ、思いだしたかった。幸せな時間を。あなたとのすべての時間を。」
素直な言葉を贈りながら、紫苑を見つめる。

「愛してる」
恥ずかしくて、気持ちを伝えるのは苦手な私。
今だって本当は照れ臭い。

でも・・・今は紫苑に伝えたかった。

「ありがとう。紫苑。愛してる。」
感謝と、気持ちを彼に伝えたかった。

言葉にして伝えたかった。
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