一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
第23話 今日から、あなたと暮らします
 私の引っ越しは、ほとんどの荷物はまとめてあったから、あっさり終わった。 
 千歳(ちとせ)と暮らすために借りたアパートは、四月に引っ越したばかりで、身の回りのものは、まだそんなに増えていなかった。
 ドキドキしていたけど、父や継母は会社のことで手いっぱいなのか、私のアパートに現れず、顔を合わずに済んだ。

「ここが新居がある町……?」
「ん? そうだ」

 新しく住む場所は、都会でも緑が多く、閑静な住宅地で有名な場所である。
 住宅地の周辺に、歓楽街のようなものは一切見当たらない。

 ――ここ、高級住宅地なんですけど。

 理世(りせ)麻王(あさお)グループの専務で御曹司だとわかったけど、いざ、その財力を目にすると、戸惑ってしまう。
 勢いで婚姻届にサインしてしまったけど、私でよかったのかな?
 理世が良いというのなら……って、何度目ですか?
 この自問自答。

「あ、あのー……、つかぬことをお聞きするのですが」
「うん?」
「ご家族の方は私と理世が結婚したことを知ってるの?」
「もちろん、報告したが、快く結婚を認めてくれたよ」
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