一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
「馬鹿者! お前と理世は違うっ!」

 なぜか、悠世(ゆうせい)までいる。
 
 ――呼ばれてもいないのに、わざわざ来たのは、父さんをからかうためか?

 悠世はソファーに座り、コーヒーを飲む。
 母に『これ、どこの豆?』と聞いて、母とコーヒーの話をし、興味もなさそうだ。
 コーヒを飲みに来ただけかもしれない。
 そう思っていると、悠世から俺に聞いてきた。

「理世。INUIグループから恨みを買いすぎたみたいだね。執念深い男だって聞いてるけど、どうするんだ?」
「適当に相手をするくらいかな。たいした痛手でもないし、騒いでいるのは、麻王家くらいだ」
「ふーん? 『Lorelei(ローレライ)』は別にいいけど、『Fill(フィル)』の新店舗のオープンと重なるタイミングを狙ってやられたなと、俺は思ってたけどね」

『麻王グループ御曹司、モデル〇〇と破局! 次のお相手はデザイナーの〇〇?』
『貧乏な暮らしから一転! 玉の輿狙いか?』

 などと書かれた週刊誌を悠世はパラパラとめくる。
 記事を読み、悠世が笑っていると、父が激昂した。

「悠世! 笑い事ではない!」
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