一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
第34話 私たちはまだ一歩目
 結婚式を終えた私たちは休暇をとって、新婚旅行に旅立った。

 ――場所はパリ。

 前回のパリ行きは、苦しみと悲しみの中にいて、誰にも助けてもらえないと絶望し、孤独だった。

 ――婚約者を決められて、暗い気持ちで飛行機に乗ったのに、まさか結婚するなんて。

「ねえ、理世。新婚旅行先は秘密って言っていたけど、パリなら秘密にしなくてもよかったんじゃない?」
「どこだと思ったんだ?」
「南極とか……」
「なるほど。オーロラを見に行くときはそうしよう。今回は違うけどな。秘密にしておかないと、サプライズにならない」

 理世はまだなにか、秘密にしていることがあるらしい。

 ――パリに着いても教えてくれないなんて、どんなサプライズ?

 ホテルの部屋が薔薇で埋め尽くされたり、ヘリで飛ぶとか、理世ならやりそうだ。
 悪いサプライズじゃないから、私は楽しもうと思った。 

 ――だって、パリだし!

 パリの町、二人が出会った思い出のカフェへやってきた。
 ランチタイムのカフェは、以前と変わらず盛況で、私と理世は同じ席のテラス席をわざわざ選んで座った。
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