一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 いっそ、座右の銘とかにしてしまう?

「けれど、自分の中に明確なイメージがあるのはいいことだと思う。デザイン画をもっと見せてくれる?」
「私のデザイン画がをですか?」

 一瞬、躊躇したけど、リセになら見せても――むしろ、見て欲しい。

 ――だって、これはリセを思って描いた服なんだから、意見を聞きたい。

 そう思って、スケッチブックを渡した。
 リセは興味深げに、一枚ずつ丁寧に見ていく。

「なるほど。男女兼用で着れる服か」
「はい。メンズものはシンプルなものが多いので、素材と形を工夫して男女兼用のデザインにできたらと考えてます」
「いいね」

 ――い、い、今、いいねって言われた!?

 ふわぁっと舞い上がってしまった。
 今なら余裕で、木にも登れそうな気がする。

「長く愛されるデザインだと思う」
「あ、ありがとうございますっ!」
「いつか、君がデザインした服を着てみたいな」
「本当ですか!?」
「ああ。楽しみにしてるよ」

 楽しみにしてるって、私の服を!?
 パーンッと心臓がぶち抜かれた。
 とんでもない破壊力がある笑顔と言葉。 
 ひとつひとつに動悸がする。

 ――心臓がもたない!

 女神様レベルの美しさである。
 ひれ伏せと言われたら、きっと私はこの場にひれ伏していた。

「真面目な話はつまらない。せっかくのパリだし、楽しまなくちゃね。そうだ。よかったら、二人で飲まない?」

 そんなリセの提案に、私が逆らえるわけがない。

「喜んで!」

 当然、私は大喜びで答えたのだった。

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