一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 ネモフィラの花畑を見て、夏の青い空を思い出したから、ネモフィラの青にこだわった。
 青空に似た花の名のワンピースは、ブルーのシャツスリーブウエストのギャザー入りワンピースだ。

「ありがとうございます」

 その言葉だけで、今の暗い気持ちが浮上してきて、顔を上げることができた。
 でも、顔を見ることができたのは一瞬だけ。

「これをやる。ちょっとは、その暗い顔もマシになる」

 私の顔に花嫁が持つブーケを近づけ、また顔が隠れてしまう。

「ブーケトスでもらったブーケですよね?」
「女に間違えられたんだよ。そんなことどうでもいいだろ」

 それは言ってほしくなかったらしい。
 私の手にブーケを持たせると、彼はこちらに背を向けてしまった。

「じゃあな」

 去っていく――私がじっくり見れたのは、美人な彼の背中だけ。
 身長が高く、姿勢がいいからか、歩く姿も目を引く。
 顔だけじゃなくて身のこなしまで美しいなんて、無敵すぎる。

 ――こんなことなら、うつむいてないで、美人な彼の姿を目に焼き付けておくんだった……
 
 がっかりしながら、手元のブーケを眺めた。
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