政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
 お店はおしゃれで、店員さんも感じよく、食事も美味しい。
 そして、エスコートしてくれる婚約者は完璧で、とても幸せな気分なのだ。

 また片倉もとても幸せな気分だった。

 美味しい!と食事をする婚約者はとても可愛いし、こんな風に片倉に笑顔を向けてくれることを本当に望んでいたのだから。

 食事を済ませた2人は、今度は本屋へと向かった。
 浅緋について回っては気を使うだろうと、片倉は店に入ったら、お互い見たいものを見て、あとで合流しましょうと提案したのだ。

 それでいいんですか?と浅緋は気にしていたけれど、その方がゆっくりできるでしょう?と聞くと安心したように、笑顔になる。

 浅緋が足取り軽く文庫のコーナーに向かっていったのを見て、片倉も経済誌関連の棚に向かった。

 それでも、目では浅緋を見守っていたけれど。
 浅緋は平積みの本をじっくりと見て回りながら、棚をチェックしている。

 時折、本を手に取って、中をじっくり見ているその横顔が本当に綺麗だ。
 ふ……と嬉しそうな顔になったり、あ!と驚いた顔をしたりしていた。

 それは本当によく見ていないと分からないけれど、片倉としては浅緋のそんないろんな表情が見れることが嬉しいのだ。
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