政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
 嫌われたらどうしようとか心配していたので、そんなことは気にしていても仕方ないとアドバイスした。

 実際片倉は今まで見たことがなくらいに浅緋に入れ込んでいると槙野は知っている。

 そのアドバイスをした時も浅緋にどこが響いたのかは分からないが、なにやら頑張ります!と奮い立っていたように見えたのだが。

「何だよ。上手くいってないのか?」
「そんなことはない!」

──返しが早いな。

 確かに最初の方では、槙野は片倉と浅緋の関係を政略結婚だと決めつけた。

 けれど冷静に考えたら、この2人には必要のないことで、きっかけは強引な遺書だったのかも知れないが、今はお互いに想いあっていることは槙野にも何となく分かる。

「まあ、最初は寝室も分けていたが、今は一緒だし、朝も一緒に作って食事してから出てくるしな。充実している」
「ふーん、それは幸せそうでいいことだな」

 確かに夜は付き合いが多くなったり、仕事で遅くなることも多いので、朝を一緒に過ごすのは合理的でいいことだと槙野は思った。

「じゃあ何も問題はな……」
「いや。大きな問題がある。僕としたことが、時期を計りかねている」
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