僕惚れ③『家族が増えました』
***
とんぼ返りするように家に帰ると、葵咲がきょとんとした顔で出迎えてくれた。
「理人、もしかして具合い悪いの?」
そう、心配そうに聞いてくれるのが、また愛しかった。
いつもならすでに就労している時間なので、変な時間に帰ってきた恋人を葵咲が不思議に思うのも当たり前だ。
心配そうに理人を見上げる葵咲は、袖口にリブの入った、棒タイリボン付きの白セーターを着ていた。下は、ミラノリブニットのフレアスカート。
スカートの色は、葵咲にしては珍しいボルドーで、少し大人っぽい雰囲気だった。それが上品でまた可愛くて。
セーターのところどころにアクセントのように黒のラインが入っているのと合わせると、随分大人びて見える気がした。
「いや、凄く元気だよ。葵咲を迎えに帰っただけ」
言いながら、理人は葵咲のおでこに口付けを落とさずにはいられない。
本当は唇を塞ぎたいところだけれど、そんなことをすれば、可愛い恋人に欲情してしまいそうで、グッと堪えた。
「葵咲、凄く綺麗だ……」
改めて葵咲を真正面から見つめると、理人はうっとりとつぶやく。
「あっ、有難、う」
理人は葵咲に、毎日のように可愛いね、とか綺麗だね、とか言いまくっている。
それなのに、そのたびに葵咲が初々しく照れてはにかむのが、愛おしくてたまらなかった。
とんぼ返りするように家に帰ると、葵咲がきょとんとした顔で出迎えてくれた。
「理人、もしかして具合い悪いの?」
そう、心配そうに聞いてくれるのが、また愛しかった。
いつもならすでに就労している時間なので、変な時間に帰ってきた恋人を葵咲が不思議に思うのも当たり前だ。
心配そうに理人を見上げる葵咲は、袖口にリブの入った、棒タイリボン付きの白セーターを着ていた。下は、ミラノリブニットのフレアスカート。
スカートの色は、葵咲にしては珍しいボルドーで、少し大人っぽい雰囲気だった。それが上品でまた可愛くて。
セーターのところどころにアクセントのように黒のラインが入っているのと合わせると、随分大人びて見える気がした。
「いや、凄く元気だよ。葵咲を迎えに帰っただけ」
言いながら、理人は葵咲のおでこに口付けを落とさずにはいられない。
本当は唇を塞ぎたいところだけれど、そんなことをすれば、可愛い恋人に欲情してしまいそうで、グッと堪えた。
「葵咲、凄く綺麗だ……」
改めて葵咲を真正面から見つめると、理人はうっとりとつぶやく。
「あっ、有難、う」
理人は葵咲に、毎日のように可愛いね、とか綺麗だね、とか言いまくっている。
それなのに、そのたびに葵咲が初々しく照れてはにかむのが、愛おしくてたまらなかった。