僕惚れ③『家族が増えました』
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行きがけにセレストアに寄ってみると、マンション駐車場で見慣れた黒のハイラックスサーフが、店舗入り口に一番近い駐車スペースに停まっていた。
出勤前に恋人の顔でも見に寄ったのか、呑気なもんだよね、と理人は忌々しく思う。
何食わぬ顔で理人が店内に入ると、即座に「いらっしゃいませ」という声がかかった。その声に軽く会釈しながらレジにいる面子をちらりと見遣って、直人の姿がないことを不審に思った。
彼は今、レジ以外の場所にいるんだろうか。
思いながらふと視線を転じた先で、嫌でも棚越しに背の高いあの男――山端逸樹――の姿を視認してしまった理人は、顔には出さないように心の中で嘆息した。
もう一度だけ深く息を吐いて呼吸を落ち着けてからそちらへ向かうと、作業着姿の逸樹が立つ横で、せっせとパンを補充している直人の姿があって。
理人は二人が一緒にいるのを確認して、ほくそ笑んだ。
行きがけにセレストアに寄ってみると、マンション駐車場で見慣れた黒のハイラックスサーフが、店舗入り口に一番近い駐車スペースに停まっていた。
出勤前に恋人の顔でも見に寄ったのか、呑気なもんだよね、と理人は忌々しく思う。
何食わぬ顔で理人が店内に入ると、即座に「いらっしゃいませ」という声がかかった。その声に軽く会釈しながらレジにいる面子をちらりと見遣って、直人の姿がないことを不審に思った。
彼は今、レジ以外の場所にいるんだろうか。
思いながらふと視線を転じた先で、嫌でも棚越しに背の高いあの男――山端逸樹――の姿を視認してしまった理人は、顔には出さないように心の中で嘆息した。
もう一度だけ深く息を吐いて呼吸を落ち着けてからそちらへ向かうと、作業着姿の逸樹が立つ横で、せっせとパンを補充している直人の姿があって。
理人は二人が一緒にいるのを確認して、ほくそ笑んだ。