魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)

誘拐事件・ドラゴンの館・その3・31~35

<エリィの夕食・その1>

エリィは目を開けた。
よく眠れたせいか、
体はすっきりしている。

ベッドからするりと降りて、
窓側に近寄った。

夕日が
山の間に落ちようとしている。
東は紺色の空が広がり、
星が出番をまっているようだ。

遠くに森が囲むように見える。
下の庭は・・・
こんもりした低木はあるが、
花はひとつもない。

コンコン
軽いノックの後

「お嬢様、アンナです。」
エリィは振り向いた。

アンナが
きれいな黄色の薔薇の花束と、
大き目の箱を持っていた。

「あの、お嬢様でなく・・
エリィです。
そう呼んでください」
「わかりました。エリィ様、
このお花は、旦那様がお見舞いで・・・」

エリィが寝間着姿で、
薔薇の花束を受け取った。
「まぁ、なんて・・きれい」

アンナは机の上に箱を置き、
包み紙を広げた。
「夕食には、これをお召しになるように、
これも旦那様のお見舞いです」

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