魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)
<エリィの彼氏の件・その3>

「それで、姉がやるはずの神官が、回ってきて・・
まったく、もうっ」

「それでは、エリィ様が
今お付き合いされている殿方は・・?」
アンナは鋭く、突っ込みを入れた。

エリィはナイフでグギグギと、
力を込めて肉を切った。

「神殿は恋愛禁止なのです。
まぁ隠れて付き合っている女の子も多いですけど。
当分は私、こりごりですね。」

アンナは複雑な顔をした。

「エルフの恋愛は、自由と聞きますが・・」

エリィは額にしわをよせて、
フンと鼻息を鳴らした。

「まぁ、そうですが・・
浮気されて泣いている女の子も
多いのですよぉ」

そう言って、
ブスッと肉をフォークで突き刺し、ほおばった。
りすのように頬がふくれている。

ゴクンと肉を飲み込むと、
ワインを一気に飲んだ。

「私、おしゃべりでうるさいって
言われるし、
姉のように美人でもないし・・
お菓子いっぱい食べるし・・
神殿の勉強苦手だし・・」

エリィはそこで、
はっとしたようにアンナを見た。

「ごめんなさい。アンナさん・・
一人で興奮してしゃべって・・・」

「いえ、いえ・・
私にも娘がいるので・・
よくわかりますよ」
アンナは笑いをこらえている。

衝立の後ろで、
グラゴールも笑いをこらえていた。
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