魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)
パタンと本を閉じて、膝を抱えて思い出す。

あれは月桂樹の葉の香りだった
ため息のように耳元で響いた・・
愛している・・・・

カツン、カツン
廊下から足音が聞こえる。
やばっ!
エリィは、素早く本を元通り本棚に突っ込むと、別の本を引き抜いた。

半分開いていた扉から、
グレーズが顔を覗かした。
「アンナが呼んでますだ」

「はい、今戻ります」
エリィは取り繕ったように、
引き抜いた本を床から取り、立ち上がった。


< 55 / 60 >

この作品をシェア

pagetop