ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。


***

「伊緒くん、久しぶりにここ上がってみない?」


夜ご飯を食べて、お風呂もすませて。

伊緒くんと一緒に2階に上がってきたところで私がさしたのは、廊下の上にあるロフト。

季節ものを置いてある、ようは物置になっている場所。

すでにはしごを引っかけてルンルンな私とは反対に、伊緒くんは面倒くさそうな顔。


「えー」

「ほら、早く登ろう!」


あんまり乗り気じゃない伊緒くんの足をおしながら、私もはしごを上る。

なんだかんだ、私の誘いに乗ってくれるところも大好き。


「いてっ!」


昇って早々、天井に頭をぶつけた伊緒くん。顔をしかめながら頭をさすっている。


「大丈夫?」

「ここってこんなに狭かったっけ?」


かれこれ3年はここへ上ってないもんね。

不思議そうにロフトのスペースを見回す。
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