ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

いや、髪の毛がキレイな子って言われただけだけど。私の髪の毛がキレイだって言われたわけで。

好き……って、やっぱりそれって、私に向かって言われてる……?


「俺、真柴善。よろしくー」


整理出来ない頭であれこれ考えていると、彼は陽気に挨拶してきた。


「わ、私は鈴里桃です……」


悶々としてたのは私だけで、彼はさらっと流したからほっとする。

今、愛の告白されたのかと思っちゃったよ……。

慣れてないから、まともなリアクションするところだった……!

こんなの真に受けたらおかしいよね。


「桃ちゃん? なんかおいしそうな名前だなあ」

「あははっ」


そんな風に言われたのはじめて。

さっきから、すごくストレートな言葉を口に出す人だなあ。

まあ、「ももか」とか「ももこ」じゃなくて、桃そのものだもんね。

彼も5組だったようで、そのまま話しながら教室に入ると。
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