ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

胸を張って言えば、さらに眉間のしわを深める伊緒くん。


「てか、それ外で言わない方がいいよ?」

「どうして?」

「モモのためだよ」


はて。私は首をかしげる。
 
一番言っちゃいけないのは、伊緒くんの前だと思ってたんだけど。

とにかく。


「結婚しても、この子は持っていくんだ」


ギューッと抱きしめて、頭をなでる。


「そんなの旦那が許さないんじゃない?」

「許してくれる旦那さん見つけるもん」


じーっと伊緒くんの目を見つめる。

そんなの伊緒くんがいいに決まってるじゃん、って思いながら。

伝われ伝われ~~~って念を送ってみる。


「……それ、俺しかいねーだろ」


すると、ぼそぼそっと伊緒くん。


「ん? なんか言った?」

「……べーつに」
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