7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
「ハァ……」

連れ去られるように空港にやってきた私は普通の飛行機の搭乗口とは別の入り口へ通された。

プライベートジェットに乗り込む直前、海さんに念を押された。

「いいか?今までのことはすべてなかったことだと思え」

「……分かっています。その代り永斗さんには二度と手を出さないと約束してください」

「分かった。約束は守る」

飛行機のタラップを上る。

その途中で、私はクルリと振り返った。

「海さん」

「うん?」

「永斗さんは海さんとどう向き合ったらいいのか分からないみたいでした。お二人は昔、仲が良かったんですよね?お互いの気持ちを直接ぶつけ合えば案外すぐに仲直りできるかもしれませんよ」

「ふんっ……。永斗は僕をずっと避けてきたんだ。それに、アイツは僕のことなんて何とも思っていないよ」

「そんなことありません!永斗さんは海さんのことを大切に想っています。今も、昔もずっと」

「他に言い残したことは?」

「海さんのことは好きじゃないけど、海さんの描いたデザインは好きです。いつかまた会えたら、私の服をデザインしてくださいね」

「沙羅……」

私はそう言うと、再び海さんに背中を向けてタラップを上がっていく。

機内は私が想像していたような内装ではなく、ゆったりとしていて高級感があった。

革張りの椅子に腰かけシートベルトを締める。しばらくすると、アナウンスがあり飛行機は離陸した。

窓の外の人や車、建物が小さくなる。

目をつぶると、永斗さんの顔が瞼に浮かんだ。

ごめんなさい。本当にごめんなさい……。

出来ることならずっとあなたのそばにいたかった。

窓の外を見つめていると、涙が溢れて止まらない。

「永斗さん……、さようなら」

私は震える体をギュッと両腕で抱きしめた。

途端、永斗さんのぬくもりを思い出してさらに苦しくなる。

永斗さんの感触を思い出さないように私は必死で思考を断ち切った。
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