元探偵助手、転生先の異世界で令嬢探偵になる。
「探偵だって聞いたとき、ちょっとヤバいかもとは思ったんだよね。……で、どうする?僕のことどこかに引き渡す?」
「うーん、財布はちゃんと返してもらったから……今回は見逃してあげる」
「え?いいの?何で?」
「今回は、よ。もう二度としないと約束して。もし次同じことをしたなら、探偵の名に懸けて容赦はしないから」
「……うん。二度としない。約束するよ、シエラお姉さん」
レオンは軽く目を伏せ、神妙にうなずく。
それを確認したシエラは表情を和らげ、レオンの肩をポンと叩いた。
「わかったなら良し。じゃ、今度こそお別れね。またいつか会いましょう。あなたを捕まえるという形以外であることを祈るわね」
「うん。……色々ありがとう」
今度こそ待ち合わせの人物の元へ走っていくレオンの後ろ姿を見ながら、シエラはぐっと腕を伸ばした。
「あ、やばっ」
気付けばずいぶんと時間が経ってしまった。そろそろ一人で出かけたことが父にもバレているかもしれない。