元探偵助手、転生先の異世界で令嬢探偵になる。
令嬢探偵、答え合わせをする




「シエラお姉さーん!お見送りするね!」



 依頼された内容が解決し、この屋敷に来るのもこれで最後かと感慨にふけっていると、レオンがたたたっと駆け寄ってきた。



「ありがとう」



 レオンはいつも、屋敷を出てからしばらく道案内がてらシエラと歩き、話し相手をしてくれる。


 しかし今日は、それを引き留める人がいた。



「レオン。今日は俺にシエラ嬢のお見送りをさせてください」



 穏やかな声色で微笑を浮かべるルシウス。

 レオンは思わぬ乱入者に口を尖らせた。



「ええーっ、僕シエラお姉さんとお話ししたいのに!」

「まあそう言わず。依頼人は俺なのですから、きちんとお礼をするのが礼儀でしょう?」

「ちぇっ、しょうがないなぁ。……じゃあね!シエラお姉さん!」



 もっとごねるのかと思ったが、案外あっさり引き下がった。

 というか、ルシウスと二人きりにしてもらいたくなかったのだが。またしても妙な緊張がシエラを襲う。



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