お前に愛を捧げる〜精神科ドクターの情愛

外に回るも、窓はカーテンが閉めてあり、中の様子を伺い知る事は出来なかった。
僕は一旦引き上げる事にした。

それからまもなく、剣崎から手紙が届いた。

どう言う事なのか。

《戸倉、お前がこの手紙を読んでいると言う事は、俺はもうこの世にはいないって事だな、俺は癌に蝕まれている、もう前から余命宣告されていたんだ、情けないよ、医者を目指している俺が、病に勝てないなんてな、これも俺の運命だと思って諦めるしかないんだが、ただ一つ玲子の事が気がかりだ、お前も気づいていたと思うが、俺と玲子は付き合っていた、お互い、 背負っているものが大きすぎて、結婚は出来ないんだが、それでも一緒にいようって決めた、しかし、俺は一緒にいてやれない、戸倉、玲子を頼む》

剣崎は自分の命の炎が消えていくことをわかっていたんだ。

それでこの手紙を僕宛に残したんだな。

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