あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を
煌めく世界へ
チェルシーの恋人であるウィリアムを紹介されて数日後、サバトに潜入するチェルシー、ツヤ、そしてイヅナはウィリアムに指定された森の中を歩いていた。

「ウィリアムとはね、彼がまだ魔法学校に通っていた時に出会ったのよ」

頬を赤く染め、幸せそうな顔をしながらチェルシーがウィリアムとの馴れ初めを話す。恋バナが大好きなイヅナは、わくわくしながらチェルシーの話に耳を傾けていた。

「魔法学校を、魔法使いたちでは対処できないほどの妖が襲ってきた時に、アレス騎士団が助けに入ったの。その時からアプローチされて付き合うようになったのよ」

「素敵ですね!いいなぁ〜……」

デートのこと、互いに贈り合ったプレゼントや手紙、ウィリアムが学校を卒業する際に開かれたパーティーで一緒に踊ったこと、溶けてしまいそうに甘い恋の話をチェルシーに聞かされ、イヅナも恋人がほしくなってしまう。その時、先頭を歩いていたツヤが振り返った。

「お前ら、これからサバトに潜入するんだぞ。気を引き締めろ。あとチェルシー、お前はウィリアムと行動することになると思うが、デートじゃないんだからな?」
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