あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を

番外編ニ 同期みんなで行きたいの！

「ねえ、みんなでどこか遊びに行かね？それが無理なら飯だけでも」

ギルベルトの屋敷でたまたまチターゼとアレンと会った時、イヅナの隣にいたレオナードが言った。

「ほら、俺ら同期なのに一回も一緒に飯行ったり、遊んだことないじゃん」

「確かに、いつもいるメンバーが同じだよね」

ヴィンセントも頷く。イヅナも同期でどこかへ行くのは賛成だ。恐らくアレンも頷いてくれるだろう。しかし、問題はチターゼだ。

アレンと上司であるエイモンとしか基本的に関わろうとせず、任務でも別行動を要求した彼女が頷いてくれるかどうか。イヅナは無表情なチターゼをジッと見つめる。

「任務が入っていない日なら、構わないが……」

顔を背けてチターゼが言い、予想外の言葉にイヅナはもちろん、レオナードやヴィンセント、さらにアレンでさえ驚いていた。

「何そんなに驚いてんだ。あたしにだって、人とどこかに行ったり、ご飯を食べたいという気持ちは芽生えるぞ」

「いや、行くって言うと思わなかったから」