【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
「そんなに食べたら後でどうなっても知らないぞ」




「女の子にそんなこと言ったら嫌われるよ!」





私だってこれ以上食べたら太っちゃうってことは分かっているけど…。




お出かけした時くらいは美味しいものいっぱい食べないと勿体ないよ!楽しい食事も楽しめないし。




特別な時は我慢しないで食べる!我慢は身体に毒だよ!





「お前に嫌われなきゃ、あとはいい」





って、またそういうこと言う…。ちょっとドキってしちゃったよ。





顔まで熱くなって。早くこの火照りなくなれー!





「おい、雪が降ってるぞ…!」




雪?





寒空に降る、小さな白い雪。見ているだけで寒気がする。





「ほんとだ。来る前雲行き怪しかったもんね」




会場のライトに反射してとても美しい風景だが、依乃里はそれを心から楽しめていなかった。





依乃里の心は今、不安が降り積もっているからだ。






昴先輩まだ外にはいないよね…。






待ち合わせ場所は駅前のクリスマスツリーの前。





時間は私がパーティー終わり次第、連絡してから先輩は家を出ることになっている。
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