甘い夜の見返りは〜あなたの愛に溺れゆく
「湊さんと…もし2人で旅行に行ったら、部屋に素敵なお風呂があって、2人でオーロラや花火、星空が体感できる空間が、あったりしたらいいなって。あっ、2人で想い出の品物作れる工房もあればいいですよね」
湊さんは、少しびっくりしたような顔をした後、優しく微笑み、私の手を握った。
「そっかぁ…あとは?」
「結婚して子供が出来たら、騒いでも周りに遠慮なく楽しみたい。日頃忙しいパパやママと一緒に過ごして、想い出が残るように、一緒にお風呂に入れて、ここでしか遊べないような空間をいくつも造って、子供との一瞬一瞬の想い出を作りたい」
「そうなんだ…」
「それと…たまに子供を預けて、2人でゆっくり時間を過ごしたいから、宿泊保育施設があると嬉しいです…」
「結羽…」
「最後は、子育てが終わって、2人になって年齢を重ねても、ずっとそこに行きたくなるように、花や緑に囲まれて、2人の時間を過ごしたいの。自分達の植えた植物を1年後、2人で見に来ようって約束するんです」
恥ずかしかったのは、湊さんと結婚することを想像してのことだったからだ。
「結羽、ありがとう」
湊さんは、私を力強く抱きしめた。
「どのワールドもバイアフリーにして、手すりも付けて、点字や手話が出来る人も居て、障害がある人も楽しんで貰えるようにしたいの」
「分かった。そのアイデアを形にしていくよ」
湊さんは早速、デザインソフトを使いながら、私が伝えたことを形にしていった。
2人で話をしながら進めていくと、あっという間に朝方を迎えた。
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