再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません

どうして私を誘ってくれたんだろう。

噂に囚われずに仲良くしくれたら、いいのにな……。

淡い期待を抱きながら桐谷さんとお友達の後に着いていくと、誰もいない空き教室に辿り着いた。

「ここで食べようっ」

二つの机をくっ付けて、桐谷さん、桐谷さんのお友達、私の三人でお昼ご飯を食べ始めた。



「笹山さんって、彼氏さんいるよね?」

「うん、どうして知ってるの?」

「放課後駅前で会ってるのよく見てるよー」


会っているところ見られていたんだ……。

二学期が始まってから、放課後に会う予定がある日は、私の学校の最寄り駅の前で合流するようになっていた。

まだまだ暑いから現地集合か直接悠くんのお家に行くと言っても、私を一人で歩かせたくないと言って聞き入れてくれない。


どういうきっかけで知り合ったの?
夏休み中、何してたの?
彼氏さんはどこの大学に通っているの?


桐谷さんはなれ初めや、悠くんについて色々と質問を私にした。

桐谷さんも悠くんを好きになった?

その可能性に気付いた瞬間、大きな不安が私の心を巣食う。

悠くんが桐谷さんを見たら、心変わりするんじゃないかって。


「やだ、そんな不安な顔しないでよー。好きになったとかないから」

よかった……。

悠くんを好きなっていないと知って安堵してしまう。


「笹山さんって、噂通りの人じゃないんだねー」


一通り聞かれた質問に答えた後、桐谷さんは小さく何度も頷きながら何かに納得したような素振りをする。

桐谷さんは上辺で判断する子じゃないんだ……私が異性にだらしない人間じゃないって理解してくれたんだね。

落ち込みかけた心が浮上し始めた。


「典型的な面倒くさいタイプの重い彼女なんだね」


でも、桐谷さんの次に放った言葉にすぐに叩き落とされてしまった。
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