僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』

*心と身体は裏腹で

「あ、んっ、理人(りひと)っ、待っ、……」

 理人に求められると、どうして私の身体はこんなにも節操なしに(たかぶ)ってしまうんだろう。

 本当なら――。
 今日は理人にごめんなさいをするつもりだったのに。

 連日連夜こんなに激しく求められたら……さすがに身体がもたないから、ごめんね。今日は休ませてねって……。
 そう言って、彼をそっと抱きしめるつもりだったの。

 なのに――。

葵咲(きさき)……愛してる」

 理人に耳元で甘く掠れた声で名前を呼ばれた途端、私、いつも頭の芯までぼぉっとなってしまって、彼に触れたい、触れられたいって気持ちに支配されてしまうの。

 身体は「休ませて」「もう無理よ?」って悲鳴を上げているのに、心がそれを「あと1回だけなら大丈夫だと思うな?」ってねじ伏せてしまう。

「ひゃ、あ、っ」

 理人の膝上にギュッと抱き上げられて、下から突き上げるように揺さぶられて、彼を受け入れた辺りに快感とは別のピリッとした痛みが走った。

「んっ、ッ……!」
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