僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
本文
「理人、メリークリスマス」
理人が仕事を終えて帰宅すると、葵咲が可愛いミニスカートのサンタクロースになっていた。
「葵咲……!?」
言うまでもなく、玄関先で扉が閉まり切るのも待てないみたいに理人が葵咲を抱きしめる。
扉の隙間からこの可愛いサンタクロースが、自分以外の誰かに見られたらと思うと、理人は気が気じゃなかったのだ。
「――それ、どうしたの?」
聞けば、大学の友人から借りたのだと言う。
「……理人、こう言うの、好き?」
理人の腕にきつく抱きしめられたまま、上目遣いに葵咲が問えば、「当たり前だろ。けど――お願いだから僕以外には見せないで?」と吐息混じりの声が返った。
仕事着にしているスーツの上にコートを羽織ったままの理人からは、何となく埃っぽいようなにおいがして。
「今日も……書庫?」
聞けば、「仕事だからね」と囁くように耳打ちされた。
理人が仕事を終えて帰宅すると、葵咲が可愛いミニスカートのサンタクロースになっていた。
「葵咲……!?」
言うまでもなく、玄関先で扉が閉まり切るのも待てないみたいに理人が葵咲を抱きしめる。
扉の隙間からこの可愛いサンタクロースが、自分以外の誰かに見られたらと思うと、理人は気が気じゃなかったのだ。
「――それ、どうしたの?」
聞けば、大学の友人から借りたのだと言う。
「……理人、こう言うの、好き?」
理人の腕にきつく抱きしめられたまま、上目遣いに葵咲が問えば、「当たり前だろ。けど――お願いだから僕以外には見せないで?」と吐息混じりの声が返った。
仕事着にしているスーツの上にコートを羽織ったままの理人からは、何となく埃っぽいようなにおいがして。
「今日も……書庫?」
聞けば、「仕事だからね」と囁くように耳打ちされた。